腎臓は、腰のやや上に左右1個ずつあります。
形は、そら豆のようで、大人ではにぎり拳くらいの大きさです。
1個の重さは150g前後です。
1つの腎臓には約100万個のネフロン(ろ過装置)があります。
ネフロンは毛細血管の束である糸球体と尿細管からできています。
腎臓は入ってきた血液を糸球体でろ過し、尿細管で体にとって必要なものを再吸収して、体に不必要な老廃物(尿毒素)を尿として捨てています。
腎臓は尿をつくる臓器であり、体の環境を整える「ホルモン」をつくる
臓器でもあります。
腎臓には8つの働きがあります。
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①老廃物の排泄
体に溜まった老廃物(尿毒素)を取り除きます。体に必要なものは排泄しません。
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②水分の調整
尿の濃さや量により、体内の水分を一定にコントロールしています。
体の水分が少ない時は、尿は濃くなり、量が少なくなります。
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③電解質の調整
血液中に含まれている電解質には、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、
カルシウム(Ca)、リン(P)などがあります。腎臓では、これらの電解質の
濃度をコントロールしています。
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④血液のphの調整
腎臓では、体に溜まった酸性物質を中和し、血液が弱アルカリ性に
なるように『酸性-アルカリ性』の平衡を保っています。
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⑤造血刺激ホルモン
(エリスロポエチン)の分泌
赤血球をつくるためには欠かせないホルモンです。このホルモンは
腎臓から分泌されて、骨髄における赤血球の産生を促しています。
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⑥ビタミンDの活性化
ビタミンDは食事や日光を浴びることによって皮膚で作られます。
その後、肝臓を経て、腎臓で活性型ビタミンDへと変化することで、
カルシウム(Ca)の吸収や骨の代謝を促します。
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⑦不要になったホルモン
体にとっていらなくなったホルモンを壊したり、捨てたりしています。
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⑧血圧の調整
腎臓を流れる血液の量が減少すると、レニン(血圧をあげるホルモン)
が分泌され、血圧を上昇させます。