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2010.09.18
・肥満症を解消しましょう
肥満症を解消しましょう
■ 肥満症とは
肥満症とは身体に脂肪組織が過剰に蓄積された状態のことを言います。しかし、それだけでは病気とはいえません。肥満によって健康障害を起こしているか、健康障害を起こしやすい肥満があり、医学的に減量を必要とするとき「肥満症」といいます。現在のところ肥満組織を正確にかつ経済的に測定することが難しいため、BМI(ボディー・マス・インデックス=体格指数)という数値を用いて、体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)が、25以上の場合「肥満」と判定しています。
肥満の診断基準
1、肥満に起因ないしは関連して発症する健康障害を伴う場合
Ⅰ 脂肪細胞の質的異常
① 耐機能障害・2型糖尿病
② 脂質代謝異常
③ 高血圧
④ 高尿酸血症・痛風
⑤ 脂肪肝
⑥ 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)
⑦ 脳梗塞
Ⅱ 脂肪細胞の量的異常
⑧ 骨・関節疾患
⑨ 睡眠時無呼吸症候群・Pickwick症候群
⑩ 月経異常
Ⅲ 特殊な病態を伴う健康障害
⑪ 肥満妊娠
⑫ 心理的サポートの必要な肥満症
2、内臓脂肪型肥満と判定された場合
腹部CTスキャンで内臓脂肪面積100c㎡以上
■ 原因は
以下のような理由で肥満症になる可能性があります。
① 遺伝
② 運動不足
③ 食べ過ぎ
④ 夜食やむら食い
■ 治療方法は
まず ① 食事
食事とあわせて ② 運動
場合によっては ③ お薬
さらに、日常生活パターンや行動の問題点を見つけ、自分で少しずつ修正していくことが大切です。
■ ポイント1 摂取エネルギーの見直しをしましょう
減量の基本は、消費するエネルギーより、取り込むエネルギーを少なくすることです。まず、身長から一日の適正エネルギーを算出します(日常の活動量などによって個人差があります。また、主治医から指示されたエネルギーがあれば、それに従ってください。)。
○ 1日に必要なエネルギーの目安は、標準体重1㎏当たり25~30KCalの範囲で設定します。
例)身長が165cmの方の場合
標準体重=1.65(m)×1.65(m)×22=約59.9㎏
適正エネルギーは、標準体重1㎏当たり25KCalとすると、59.9×25≒1498
従がって、下記の表から1日に必要なエネルギーはおよそ1500KCalということになります。
下記の早見評をご活用下さい。
○ リバウンドについて ~筋肉増やし消費を高めよう~
短期集中型の無理なダイエットを行うと、目標達成後に気が緩んで元の食生活に戻ってしまったり、身体が少ないエネルギーに慣れて、基礎的なエネルギー量が減る「適応現象」が起き、体重や体脂肪が以前より増えてしまうことがあります。これを防ぐには、食事療法と同時に運動療法を行い、筋肉量を維持して消費エネルギーを高めることが大事です。
○ 食事療法と運動療法の関係 ~運動は食事のサポート~
肥満の治療には、食事療法と運動療法が重要ですが、二つ合わせて行うことが効果的です。運動だけで減量しようとしても、食事でオーバーしたエネルギーを消費するには、現実的に無理があります。
運動療法はリバウンドによって体脂肪が増えないように筋肉量を維持したり、エネルギーが筋肉で効率的に使われるようにする。いわば食事療法のサポート的役割を担っています。計算上、体脂肪1㎏を10日で減らそうと思ったら、毎日700KCalのエネルギー消費の追加が必要です。700KCal消費するには、ジョギング1時間半!
■ ポイント2 栄養のバランスに気をつけましょう
エネルギーを気にして食べる量を減らしたり、特定の食品だけを食べたりすると体に必要な栄養素が不足することがあります。しっかり取り組むには、管理栄養士に相談してください。
○主食(ごはん・パン・麺などの炭水化物の供給源)、主菜(肉・魚介・卵・大豆・大豆製品などタンパク質の供給源)、副菜(野菜・キノコ・海藻などビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源)を、毎日揃えましょう。
○1日に牛乳・ヨーグルト類はコップ1杯程度、果物はみかん2個程度の量を取るようにしましょう。
○揚げ物や炒め物、マヨネーズやドレッシングをたっぷり使ったサラダなど油を使った料理は1日2品までにしましょう。
■ ポイント3 食べ方のパターンに気をつけましょう
1日の摂取エネルギーを守っても、食事の回数やタイミングによっては減量効果が薄れてしまいます。
○どか食い、むら食い、まとめ食いをしない。
○夕食は軽めにし、寝る前2~3時間はなるべく食べない。
○食事はぬかないようにし、規則正しく取る。
○ゆっくりよく噛んで、早食いをしない。
記録することも大切
○食事の記録
いつ、どこで、何を、どのくらい、どんな状況で食べたかを書き留めてみると、自分でも気付かなかったことがいろいろわかってきます。
たとえば
・テレビを見ながらお菓子をつまむ
・朝食がいつもパンとコーヒーだけである
・先週は牛乳をまったく飲んでいない など
○体重の記録
起床後トイレに行って朝食をとる前の、毎日同じような時間帯に体重をはかり、グラフにしてみましょう。その日行った運動や、出来事、体調などもあわせてメモしておくと食生活全般を振り返るよい材料になります。
■ 食事療法Q&A
Q1
お酒や甘いものをやめずに、やせる方法はありませんか?
A
アルコール類や甘いものは、主治医や管理栄養士と相談して量や頻度などルールを決めましょう。記録をつけて実際の量を客観的に把握し、そこから実際にどのくらい減らすことが可能かなど、ご自身でコントロールできることが望ましいといえます。
Q2
果物を食べると太るのですか?
A
果物=食べると太る、ということではありません。何を食べるにしても全体的な量やタイミング、その他の食物や栄養との割合などいろいろな条件が重なって肥満は起こります。果物も、ビタミンや食物繊維が豊富です。1日にとりたい果物の量はバナナなら中1本、リンゴなら大きめのもの半分くらいです。できれば朝か昼または間食で。
Q3
料理の仕方でエネルギーをおさえられると聞きましたが、そのポイントは?
A
料理の前に素材の選び方も大事です。肉の場合、脂肪の少ない部位(赤身や皮なし)、魚介類は脂肪を多く含まない種類のものを選ぶ機会を増やしましょう。調理方法は、焼いて脂肪を落としたり、ゆでる、蒸す、など油を使わない方法で。揚げ物をするとき、衣は薄い方が低エネルギー。また、パン粉は生より乾燥したものを使うと吸油量が少ないので低エネルギーです。
■ 肥満症とは
肥満症とは身体に脂肪組織が過剰に蓄積された状態のことを言います。しかし、それだけでは病気とはいえません。肥満によって健康障害を起こしているか、健康障害を起こしやすい肥満があり、医学的に減量を必要とするとき「肥満症」といいます。現在のところ肥満組織を正確にかつ経済的に測定することが難しいため、BМI(ボディー・マス・インデックス=体格指数)という数値を用いて、体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)が、25以上の場合「肥満」と判定しています。
肥満の診断基準
1、肥満に起因ないしは関連して発症する健康障害を伴う場合
Ⅰ 脂肪細胞の質的異常
① 耐機能障害・2型糖尿病
② 脂質代謝異常
③ 高血圧
④ 高尿酸血症・痛風
⑤ 脂肪肝
⑥ 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)
⑦ 脳梗塞
Ⅱ 脂肪細胞の量的異常
⑧ 骨・関節疾患
⑨ 睡眠時無呼吸症候群・Pickwick症候群
⑩ 月経異常
Ⅲ 特殊な病態を伴う健康障害
⑪ 肥満妊娠
⑫ 心理的サポートの必要な肥満症
2、内臓脂肪型肥満と判定された場合
腹部CTスキャンで内臓脂肪面積100c㎡以上
■ 原因は
以下のような理由で肥満症になる可能性があります。
① 遺伝
② 運動不足
③ 食べ過ぎ
④ 夜食やむら食い
■ 治療方法は
まず ① 食事
食事とあわせて ② 運動
場合によっては ③ お薬
さらに、日常生活パターンや行動の問題点を見つけ、自分で少しずつ修正していくことが大切です。
■ ポイント1 摂取エネルギーの見直しをしましょう
減量の基本は、消費するエネルギーより、取り込むエネルギーを少なくすることです。まず、身長から一日の適正エネルギーを算出します(日常の活動量などによって個人差があります。また、主治医から指示されたエネルギーがあれば、それに従ってください。)。
○ 1日に必要なエネルギーの目安は、標準体重1㎏当たり25~30KCalの範囲で設定します。
例)身長が165cmの方の場合
標準体重=1.65(m)×1.65(m)×22=約59.9㎏
適正エネルギーは、標準体重1㎏当たり25KCalとすると、59.9×25≒1498
従がって、下記の表から1日に必要なエネルギーはおよそ1500KCalということになります。
下記の早見評をご活用下さい。
身長(cm) | 目安のエネルギー(KCal) |
140 | 1100~1300 |
145 | 1200~1400 |
150 | 1200~1500 |
155 | 1300~1600 |
160 | 1400~1700 |
165 | 1500~1800 |
170 | 1600~1900 |
175 | 1700~2000 |
180 | 1800~2100 |
185 | 1900~2300 |
190 | 2000~2400 |
○ リバウンドについて ~筋肉増やし消費を高めよう~
短期集中型の無理なダイエットを行うと、目標達成後に気が緩んで元の食生活に戻ってしまったり、身体が少ないエネルギーに慣れて、基礎的なエネルギー量が減る「適応現象」が起き、体重や体脂肪が以前より増えてしまうことがあります。これを防ぐには、食事療法と同時に運動療法を行い、筋肉量を維持して消費エネルギーを高めることが大事です。
○ 食事療法と運動療法の関係 ~運動は食事のサポート~
肥満の治療には、食事療法と運動療法が重要ですが、二つ合わせて行うことが効果的です。運動だけで減量しようとしても、食事でオーバーしたエネルギーを消費するには、現実的に無理があります。
運動療法はリバウンドによって体脂肪が増えないように筋肉量を維持したり、エネルギーが筋肉で効率的に使われるようにする。いわば食事療法のサポート的役割を担っています。計算上、体脂肪1㎏を10日で減らそうと思ったら、毎日700KCalのエネルギー消費の追加が必要です。700KCal消費するには、ジョギング1時間半!
■ ポイント2 栄養のバランスに気をつけましょう
エネルギーを気にして食べる量を減らしたり、特定の食品だけを食べたりすると体に必要な栄養素が不足することがあります。しっかり取り組むには、管理栄養士に相談してください。
○主食(ごはん・パン・麺などの炭水化物の供給源)、主菜(肉・魚介・卵・大豆・大豆製品などタンパク質の供給源)、副菜(野菜・キノコ・海藻などビタミン、ミネラル、食物繊維の供給源)を、毎日揃えましょう。
○1日に牛乳・ヨーグルト類はコップ1杯程度、果物はみかん2個程度の量を取るようにしましょう。
○揚げ物や炒め物、マヨネーズやドレッシングをたっぷり使ったサラダなど油を使った料理は1日2品までにしましょう。
■ ポイント3 食べ方のパターンに気をつけましょう
1日の摂取エネルギーを守っても、食事の回数やタイミングによっては減量効果が薄れてしまいます。
○どか食い、むら食い、まとめ食いをしない。
○夕食は軽めにし、寝る前2~3時間はなるべく食べない。
○食事はぬかないようにし、規則正しく取る。
○ゆっくりよく噛んで、早食いをしない。
記録することも大切
○食事の記録
いつ、どこで、何を、どのくらい、どんな状況で食べたかを書き留めてみると、自分でも気付かなかったことがいろいろわかってきます。
たとえば
・テレビを見ながらお菓子をつまむ
・朝食がいつもパンとコーヒーだけである
・先週は牛乳をまったく飲んでいない など
○体重の記録
起床後トイレに行って朝食をとる前の、毎日同じような時間帯に体重をはかり、グラフにしてみましょう。その日行った運動や、出来事、体調などもあわせてメモしておくと食生活全般を振り返るよい材料になります。
■ 食事療法Q&A
Q1
お酒や甘いものをやめずに、やせる方法はありませんか?
A
アルコール類や甘いものは、主治医や管理栄養士と相談して量や頻度などルールを決めましょう。記録をつけて実際の量を客観的に把握し、そこから実際にどのくらい減らすことが可能かなど、ご自身でコントロールできることが望ましいといえます。
Q2
果物を食べると太るのですか?
A
果物=食べると太る、ということではありません。何を食べるにしても全体的な量やタイミング、その他の食物や栄養との割合などいろいろな条件が重なって肥満は起こります。果物も、ビタミンや食物繊維が豊富です。1日にとりたい果物の量はバナナなら中1本、リンゴなら大きめのもの半分くらいです。できれば朝か昼または間食で。
Q3
料理の仕方でエネルギーをおさえられると聞きましたが、そのポイントは?
A
料理の前に素材の選び方も大事です。肉の場合、脂肪の少ない部位(赤身や皮なし)、魚介類は脂肪を多く含まない種類のものを選ぶ機会を増やしましょう。調理方法は、焼いて脂肪を落としたり、ゆでる、蒸す、など油を使わない方法で。揚げ物をするとき、衣は薄い方が低エネルギー。また、パン粉は生より乾燥したものを使うと吸油量が少ないので低エネルギーです。